「おばさん」
絵本作家・かべやふよう



第1回 「眠りの居間では...」

私はものすごい数のオバサンネタを持っています。(...と思う。)

でも、コラムというものを書くのは初めてなので、このあふれるネタをいったいどうやってまとめつつ、小出しにしていくのか、その技を知りません。よって、あっという間に、終止符を打つことになっても、私のこと責めたりけなしたりしないでね。

第一回目のおばさんは "母" です。

おばさんってぇ───、とーにかく、よく寝るよね。
夕食の片づけをした後、コタツに入り、
「ねー、ちょっと見せて〜、きょう、火曜日だら〜(三河の方言)、"お江戸でござる" の日だもん」
とチャンネル変えて、5分もすると、右へ〜〜〜♪ 左へ〜〜〜♪ 前へ〜〜〜後ろへ〜〜〜、...バタッ
と寝てる。つーか、倒れる???
あと40分、お江戸でござるは続くでござるよ。

でも、ここで親切心なんかを出して、ゆり起こしたりなんかしたりしたら、それは、もう、心臓が停止せんばかりのいきおいで起き上がり、「あっ!!! おとうさんは?」
「そこにいるよ。」父は隣でしずかに本、読んでる。
「あ〜〜〜〜〜〜〜、もう〜〜〜〜〜っ、ビックリしたや〜〜〜〜〜〜〜〜」
うーん、そうだろうね。
そりゃあ、ビックリしただろうね。

でも、もう "お江戸でござる" はいいわけね? とリモコンに手を延ばすと、じーーーっと見てる。
リモコン持った私をじゃなくて、お江戸でござるを。そして、
「おかあさん、一回、これ見に行きたいやー」
たくさんのおばさんの後頭部が映る画面を見ながら、私も、(いつかこうなるにちがいない)と思いました。



ねー、コラムってこんなもんでいいのぉ?いいわけないよね、だってなんか違う気がするもん。でも、私、素人だし〜。ではさようなら、みなさん。



第1回 「眠りの居間では...」
第2回 「あのときの雨」
第3回 「ある日、英会話学校で」
第4回 「2002年・私の重大ニュース」

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