「手みやげお菓子」
デザイナー・大野リサ



第2回 「水羊羹」

第二回目は水羊羹。
羊羹は本来、「羊の羹(あつもの)」、つまり羊肉入りのとろみのある汁物でした。
鎌倉から室町時代に禅僧が点心の一つとして中国から日本へ伝えました。
でも禅僧は肉食禁止だったため、小豆や葛や小麦粉で見立て料理に変化させて
現在の蒸羊羹に近いものになったといわれます。
江戸時代に入り寒天が発見されて現在一般的な練羊羹が登場しました。
水羊羹は水無月(六月)の菓子とされます。
名前の由来は、霊元天皇(1663即位)が虎屋や二口屋の羊羹が固いことから、
六条の亀屋陸通の柔らかな羊羹を好み、水羊羹と呼んだことにあるといいます。
ただ実際の水羊羹が売られたのはずっと後で
『平安二十歌仙』(1769)の歌に出てきます。
「水羊羹の寒き歯あたり」(随古)

参考文献
「図説 和菓子の今昔」青木直己著(淡交社)
HP「和菓子俳句ろん」




日光連峰の湧き水を使用。底部に寒天の透明な層が出来ている。今年から北海道十勝小豆を使用した小倉が登場。共に色が濃く、結構固さがある。小豆の味がしっかりしている。
各1個・220円
青竹風のプラスティック容器に入っている。天然の糸寒天を使用。水っぽくもなく濃くもなく、あっさり。底部に透明な寒天の層ができている。甘さも控えめ。
1個・260円



夏菓子「花園羹」四種のうちの一つが水ようかん。饅頭やぬれ甘納豆で有名な店だけあって、餡の味に期待を持ち過ぎた。色は薄め、水っぽい感じ。後味にざらざらと柔らかい割に舌に残る。
1個・250円
鈴鹿山系の湧き水と北海小豆を使用。あっさりしているが小豆の味があまりしない。最中は美味しいのに?
1個・280円



「和三盆糖」(こし餡)、「小倉」「黒砂糖」、「抹茶」の四種がある。定番の羊羹同様に他店のものより、しっかり煉られていて甘いので瑞々しいという印象はないが、インパクトはある。
各1個・280円
小倉も小豆もおいしい。小豆は周りを薄い透明な寒天の層が包んでおり、見た目も涼しい。小倉も淡く透けるこし餡の中底部に小豆の粒がきれい。品も良くてお薦め。
各1本・600円



小豆こしあんとふっくら炊き上げた小豆が点々と入った粒あんと抹茶の三種ある。こしあんよりも小豆の入ったものの方がこくがある感じがする。こしあんはあっさり。
各1個・260円
小豆と小倉の二種。小倉はぎっしりと小豆が入っていて、あんこ好きにはいいかも。こしの小豆も同様に濃く、あっさりという感じはない。
各1個・220円



ほっくりした食感。柚子のさわやかな香りがほんのりとし、それが大袈裟に主張せず、いい風味。パッケージはあっさりだが、柚子が苦手でなければ、オススメ。
1個・250円
小豆・小倉・柚子の三種。小倉は半分が寒天の層で、果たして水ようかんと言っていいものか、疑問。小豆は豊潤で小豆の味も食感もするのにしつこくない。優秀。
3個・700円





全国名水百選にも選ばれた「新潟県栃尾市・杜々の森」の湧水を使用し、青竹に流し込んだもの。水っぽく、竹の香がほんのりとし、あっさりしている。
大1本・1000円 小1本・430円
青竹風のプラスティック容器に入っている。口に入れた途端、もちっとした感じがするが、なめらかで、とろんという表現が合うかも。あっさりしている。甘さ控えめ。
1本・350円





竹の羊羹は不思議な爽やかさがあり、しっかり濃い小豆色。他二つも同様に濃く、しっかりして詰まっている 感じがある。小倉が後味が少し粉っぽい。
各1個・200円 1本・200円
「水羊羹」は少し濃い。ざらっとしているが小豆の味はする。しっかり甘い。「竹清水」はオリゴ糖入り。さっぱり。色も薄め。小豆の味より糖分の味が勝っている。
「水羊羹」1個・150円 「竹清水」1本・300円





竹清水は少し変わった甘みがある。こくがあり、竹のほのかな香がする。氷室は水っぽい。甘くない。食感がゼリーに近い。材料も丹波小豆・双白糖・葛・寒天とシンプル
氷室各・250円 竹の水1本・300円




第1回 「『WEST』と『虎屋』」
第2回 「水羊羹」
第3回 「プリン」

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