La Vida *生活
<夏休みを襲った悪夢>
8月のバルセロナは、異常に静かだ。というのも街中の商店が一斉に夏休みに入るからである。
日本では想像しがたいが、8月初旬から9月初旬まで申し合わせたようにお店のシャッターを下ろす。オフィスに勤務するいわゆるビジネスマンもこの時期に2〜3週間のバカンスを取るため、バスや地下鉄、道行く人の数も格段に減る。
夏の間は働いてる場合ではないと考えるふざけた国民なのだ。
そんなスペイン人を尻目に毎日学校に通い続ける真面目な私には、きっと素晴らしいご褒美が与えられることだろうと密かな夢を抱いていた私に、神は恐ろしい試練を授けた。夏休みを襲った悪夢、それは「歯痛」である。
長期海外生活を送る前の3種の神器(私が考えるに、美容院、歯の治療、銭湯通い)を日本で済ませた私に突然激痛が襲ったのである。通常であれば気力で持ちこたえるところだが、痛みは歯だけにとどまらず、聴覚、そして頭にまで達した。そこで歯医者に行こうと意を決したのだが、どこも夏休み。痛みをこらえながらようやく見つけた歯医者では、レントゲンを撮ったが悪いところが何も見つからず「様子をみましょう」と薬も与えてくれない。挙げ句の果てに、日本で治療した私の歯を診て「!Qhe chulo!(素敵!)」と言う。藪医者ではないかと、恐怖の余り思わず口を閉じた始末だ。
さらに耳の痛みが歯のそれよりひどくなり、もしや中耳に問題があるのではと緊急病院に行くも、やはり問題なし。とりあえずかみ合わせが悪いようだから、固い食べ物は食べるべからずと忠告を受け、毎日Gaspacho(冷たい野菜スープ)を飲み続けた。
これといった解決策も見つからないまま早2週間が過ぎ、痛みは小康状態に入っているが、このまま爆弾を抱えながらいつまで生きていくのだろうと不安な日々を過ごしている。
スペインでは全額自己負担だとしてもかなり安価で歯の治療が受けられるという話も聞いたが、日本の治療技術を見ても驚かない腕利きの歯医者に出会えればの話かもしれない…。
親善大使も歯が命。
El Viaje*誘われて一人旅
バルセロナから高速バスで13時間。かつてのカスティーリャ王国の首都、バリャドリッドでバスに乗り換え20分。人口6000人のTudela de Dueroという街にやってきた。
日本からやってくる友人と再会するためである。というのも彼らがここでスペインと日本の文化交流会を開催することになり、勝手に親善大使としては、やはり何を置いても足を運ばなければならなかった。交流会は1日だけの開催であったが、会場に訪れた住民(老若男女)は、日本酒、折り紙、書道、お茶会、盆踊りを楽しんだ。
中でも人気が高かったのが、当て字の漢字で彼らの名前を半紙に書いてあげるモノ(これはおいらのアイデア)で、例えば葉虎(Paco)、羅宇裸(Raura)、穂瀬(Jose)など複雑な漢字が特に好まれた。
ある小学生の女の子などは、クラス中の友達の名前をリクエストし、結局用意した半紙をすべて消費。それでも折り紙の裏に書いてくれとねだり、主催者(平均年齢多分55歳)側もヘトヘトといった感であった。
しかし、そんな疲れも吹き飛ぶほど来場者の反応は良く、ぜひ来年も開催して欲しいというオファーに、これが最初で最後と計画していた友人は少々困惑していたが、私的には「よし!その願い私が実現しましょう!」と鼻息粗く(親善大使としての任務の重要性を強く感じながら)この街を後にした。頭の中は、次のイベント計画でいっ
ぱいだ。
次回は、「連日完売!フィエスタで寿司職人をする」の巻をお届けします。
かなりの当て字ですが、老若男女大喜び。
東京音頭、さくら音頭って知ってる?
見よう見まねで、みんな上手に漢字を書いてました。
巡回中の警察官。いちゃもんを付けに来たのかと思いきや、
お茶会、習字を楽しんでました。仕事しましょう!
El Idioma*草の根スペイン語講座
Gaspacho(ガスパチョ)
今回は、スペイン人が夏になると必ず飲む冷スープ、Gaspachoのレシピをお届けします。
ペネロペ=クルスが唯一作れる料理?だそうです。
【Receta de Gaspacho】
・ニンニク(1片)
・赤ピーマン、または青ピーマン(外国産のデカイ奴) 半分
・熟れたトマト 4〜5個
・キュウリ 2本
・固くなったフランスパン 5cmくらい
1)上記の野菜を細かく切り、ジューサーに入れる。
2)オリーブオイル、お酢、塩を適量入れ、最後に水をジューサーの器一杯になるま でいれる。
3)ジューサーの電源を入れて4〜5分でできあがり。冷やして飲むとおいしい。
【ポイント】
・ニンニク、お酢の量でかなり味に違いが出ます。強烈な味が好きなおいらは、ニンニクを3片、水は少な目で。
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