「Fin de semana」
ライター・川北真由美



第2回 「狙え、スペインの梨本勝!」

La Vida *生活

スペインに来て最大の生活習慣の変化というと、テレビの視聴時間が増えたことでる。これも語学習得の一手段だと自分に言い聞かせ、それこそ授業時間と睡眠中以はほとんどテレビを見ているといっても過言ではない。そして私に負けずとも劣らテレビに釘付けのスペイン人も多いのだ。
テレビを見ていて気がつくのは、コマーシャルが異常に長いことである。20分ほど組が続いた後、最低10分間コマーシャルが入る。見ていた番組が何であったか忘れしまうほど繰り返される広告宣伝は、頭の中に残像として蓄積し、視聴者は知らぬにその商品が欲しくなっている。まんまとスポンサーの意図に填っているのだ。
番組内容といえば、ニュース、ドラマ、ドキュメンタリー、アニメ、クイズ番組な日本のそれと大差はない。それにどちらが真似したのか知らないのが、アサヤン、電波少年、あいのりのような、いわゆる一般人が主人公の番組が多いのも特徴といえ歌手としてデビューを果たすため合宿生活を送ったり、数人の男女が田舎暮らしをいられ、相手を蹴落とし自分を守るドロドロとした人間模様を隠しカメラで捉えた…。そんな彼らはにわか有名人となり、カレンダーやノートなどのグッズに起用さたりして、まさに社会現象までをも巻き起こしている。
さて、日本でゴシップライター(?)といわれたこともある私のお気に入りの一つ芸能人のスキャンダルを追う番組があるのだが、悲しいかなその芸能人が誰なのかくもって分からない。当たり前だが、私にはすべてが一般人にしか見えないのだ。「あなたは一体だれ?」。一刻も早く芸能通になり、自慢気にそのゴシップをスペイン人に語れる日を夢見てやまない。



4月23日、最高視聴率を獲得したのは「Liga de campenes(サッカーのチャンピオンシップ準決勝戦)」。その視聴率はなんと64.8%。スペイン人のテレビ好き、そしてサッカー好きが伺える。

El Viaje*誘われて一人旅

11:00am、ミラノ、Duomo前で。
10年来の友人、壁谷芙扶とそんな約束を交わす。
彼女は日本で活躍するイラストレータで、初出版の絵本が「ボローニャが選ぶ世界の 絵本100選(私が勝手に命名)」に選ればれた実力の持ち主である。そして今回、そ の授賞式に出席するためイタリアにやってくるのだ。

知らぬ土地で人と落ち合うというのは「ハチ公前で6時」とはまったくもって異なる ワクワク感がある。あいにくの曇天ではあるが、高くそびえ立つDuomo前の階段に座 り、行き交う人を眺めながら芙扶を待つ。
そして感動の再会(きゃー)。
離ればなれ の時間を埋めるように固く抱き合う日本人ふたり。
すんばらしい感動の渦に包まれな がらDuomoを背に歩き出す。
そしてそして、何の迷いもなく中華料理店に入っていく のであった。
(これなら渋谷と変わらないかね)

次回はルームメイト、Domingoと行くヘローナ週末旅行をお届けします。


Duomo前のカフェ。やはりカプチーノはうまい!


Milan,Duomo前。この感動の目撃者はきっと多いはず

El Idioma*草の根スペイン語講座

Conejo(コネホ)

スペインの市場に行くと、丸裸にされた尾頭付き鶏が売られていたりとかなりグロな光景を眼にする。そしてまた、 得体の知れない丸裸の動物もショーケースに並んでいたりする。
「なんじゃこりゃ?」と値札を見るとConejoと書いてある。うちに帰り、早速辞書で調べるとウサギであることが判明。そういえば耳が長かった。しかしあんな姿を見たら可哀想でとても食べられない。

そして後日、某出版社のスペインガイドブックを何気なく見ていた時、驚くべき誤植 を発見した。
『Conejo(ウサギ)コホネ』と書かれているではないか!
(Oh! Madre mia!)
コホネとは、何を隠そう男性の大切な場所。そして怒りや驚きを表現するときに使われる俗語でもあるのだ。

ガイドブックを頼りに旅行するみなさま。間違っても「私はコホネが好きです」なんて言ったりしないでね。



第1回 「バルセロナへやって来た」
第2回 「狙え、スペインの梨本勝!」
第3回 「スペインの夏休み 」

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