tomochan.gif









時は昭和20年。

日本の戦況はますます泥沼化し、アメリカ軍による本土攻撃も
日に日に激しさを増していた。

とくに都市部は攻撃の対象となっていて、軍部は住民に
農村への疎開を呼びかけていた。

この本の主人公である8歳のともちゃんも、
千葉市の家から母の実家のある茨城県に引っ越すことになった。
といっても自動車やトラックなどはない。

3月8日の夜、ともちゃんは牛が引く荷車にくくりつけられて、
住み慣れた家をあとにした……

母子が住むことになったのは、利根川の堤防の土嚢置き場で
今は使われていない廃屋同然のおんぼろ小屋。
幅が3間、奥行きが2間しかないこの「土俵蔵」に、
すべての家財道具を詰め込んで、そのすきまに布団を敷いて寝る。
便所は外に穴を掘って、梅干し壺を埋めこんだ。
お風呂はドラムカンだ。

……転校したともちゃんを待っていたのは、イジメの嵐……
さあ、ともちゃんはどうなるんだろう?

   *

ここから始まる3年間の暮らしは、
それから60年たった今からは、とうてい考えられないような苦難に
あふれたものです。

しかし。
ともちゃんはくじけない。
全身でサバイバルの日々を過ごす。

そのすがたを生き生きと綴った本書は、
飽食の時代と言われて久しい現代の子どもたちに
きっと驚きと発見と感銘をもたらすでしょう。


映画監督・羽仁進さんも感動!
「この本は、読みだすとやめられなくなってしまう。
『宝島』や『十五少年漂流記』のような面白さだ」(本書解説より)


バックナンバー:





今関知良(いまぜき・ともよし) 1937年、満州チチハルに生まれる。41年に千葉市に住むが、疎開で茨城県利根町へ移住。ここで小中学校、高校を卒業。大学中退後、教材販売会社などを経て50歳で脱サラし、千葉県で農業を始め、90年徳島県麻植郡(現・吉野川市)山川町に転居。

また執筆活動にも精力的にとりくみ、著書に『てんとうむしの背に乗って』(地球百姓ネットワーク)、『百姓になりたい!』、(飛鳥新社)、『大豆づくり奮闘記』(東邦出版)、『今関さんちの自給自足的生活入門』(以上、家の光協会)などがある。

今関さんのホームページ「てんとう虫の背に乗って」
http://www.nmt.ne.jp/~tomo44
毎日、更新されています。